医学部に合格する受験生はどんな努力をしているのか。医学部専門予備校「京都医塾」による書籍『うちの子、医学部ってアリですか?』(クロスメディア・パブリッシング)より、一部を紹介する――。(第2回/全2回)

医学部に合格する人の3つの共通点

「子どもをどうしても医学部に入れたい」と考える保護者さまであれば、「どうすれば医学部に合格できるのか」と真剣に考えておられることと思います。

「合格」と書かれた絵馬のイメージ
写真=iStock.com/y-studio
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具体的な方法は一人ひとり異なりますが、私たちが多くの医学部受験生をおあずかりしてきた中で医学部に合格する子には、次の3つの共通点があるということがいえます。

① 本気の覚悟
② 素直さ
③ 感謝の気持ち

本稿では、①②について解説していきます。

母親から奪い返してまでゲームを続ける生徒

① 本気の覚悟

医学部合格に向けて、壮絶な受験勉強を最後までやり抜く覚悟。これがなければ、医師への出発点である医学部受験をクリアすることはできません。

ここで、京都医塾で「本気の覚悟」を持って医学部受験に取り組んだ、ある生徒のエピソードを紹介しましょう。

医学部合格診断のために初めて京都医塾に来られたときのことです。面談は、京都医塾塾長が行ったのですが、医学部を目指す我が子と一緒に面談に臨まれたお母さまは、このようにお話しくださいました。

「この子はとても良い子で、かしこい子なんです。やればできるんです。でも、今はまったく勉強に集中できていない。すぐにゲームに逃げてしまうんです……。その結果、今年もダメでした」と。

この生徒は前年度も有名大手予備校に通っていたのですが、高校生のときから、そして浪人してからも、ずっとゲームをやめることができず、お母さまがゲーム機器を取り上げては本人が奪い返してまたゲームを始める、ということを繰り返してきたということでした。

入塾前のカウンセリングの中で、保護者さまの思いと本人の気持ちをしっかりとお伺いし、医学部受験の厳しさと京都医塾での生活も伝えたうえで、最後に塾長は彼に覚悟を問いました。