日本のAI技術の研究開発・人材育成・社会実装の第一人者である東京大学教授・松尾豊さんが率いる松尾研究室のスタートアップ、「Almondo」が注目を集めている。CEOは同大学教養学部に在学中の伊藤滉太さん。小4まで外遊びが大好きでワンパクだった少年がなぜ灘高校へ進み、東大1年生にして起業したのか。『プレジデントFamily』編集部がその素顔を取材した――。

※本稿は、『プレジデントFamily2023年秋号』の一部を再編集したものです。

超行動力の秘密は⁉ 東大生AI起業家の素顔

東京大学の文系に入学しながらも、1年生にしてAI(人工知能)の分野で起業したのは、株式会社Almondo代表取締役の伊藤滉太さんだ。

Almondo代表取締役の伊藤滉太さん
撮影=植田真紗美
Almondo代表取締役の伊藤滉太さん 出典=『プレジデントFamily2023秋号

「さまざまな分野の企業が抱える“ちょっとめんどくさいなあ”という業務上の問題をAIを使って解決する方法を一緒に考えたり、プロダクトを開発したりする仕事をしています。今年の2月に創業して、12〜13人のメンバーと活動しています。“学生クオリティーなんでしょ?”と思われるかもしれませんが、東大のAI研究の第一人者・松尾豊教授が率いる松尾研究室(以下、松尾研)で、これまでに数多くの企業事例を扱ってきています」

身分を隠し、企業研究と称してアルバイトをすることもあるほど市場研究に熱心な伊藤さん。松尾教授も技術顧問として就任するなど、会社は飛ぶ鳥を落とす勢いで成長中だ。

「もともと家が転勤族だったこともあり、先が読めない遊牧民的な生き方が好きです。AIも5年後、10年後がまったく想像できないという点で同じで、面白いなと。自分が社会にどう貢献できるかが楽しみです」

そう目を輝かせる伊藤さんだが、子供時代には「自分のしたいことがわからない」と、約1年引きこもるように過ごし、親に心配をかけた時期もあったという。伊藤さんのこれまでを追った。

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