※本稿は、中田考『どうせ死ぬ この世は遊び 人は皆 1日1講義1ヶ月で心が軽くなる考えかた』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。
日本人なら仕事をやめよう
「したくもない仕事を続けるのはなぜか?」と聞かれると、大抵の人は「食べていくため必要だから」と答えるでしょう。食べていくために必要だから、毎日朝早くに起きて、満員電車に揺られて職場に向かう。
でも今の日本では仕事がないくらいじゃなかなか死にません。コーランには「思いもよらなかったところから神様が食べ物を恵んでくださる」と書いてあります。
日本はどこにでも食べ物が転がっています。魚を獲ったりネズミを捕まえて生肉にかぶりついたり、野草を齧ったりしなければならないわけではありません。
調理済みの御馳走がコンビニに並んでいて好きなだけ食べ放題です。食べ終わったら留置場、刑務所に入れてもらえ雨露しのぐ場所と栄養管理の行き届いた食事がただで与えられます。これを繰り返せば一生生活は安泰です。
本当に食べるものがないところでは、食べ物を盗めば住民たちに取り押さえられリンチに遭って殴り殺されます。働かずに他人の食べ物を奪う盗人を生かしておいては、食べ物を盗まれた人間の方が飢えて死ぬからです。仕事をしなければ食べていけない、というのはそういうことです。
日本は今、坂道を転がり落ちるように貧しくなっていますが、昔の蓄えがあるので、道に餓死者が転がっているといった事態にまではなっていません。生活保護もあるので、泥棒をする必要すらありません。仕事をやめたからといって生きていけないというわけではまったくありません。
だから本当に仕事が嫌でたまらなくてやめたいならやめてみましょう。刑務所に入ったり、生活保護を受けたりする方が、仕事や人間関係のストレスより大きい、というなら、そのストレスはその程度のものだということです。どちらでも好きな方を選べばいいのです。