読書の効用は何か。イスラーム学者の中田考さんは「今の世の中には、『自分の頭で考えろ』とバカを唆すバカが溢れているが、バカの思いつくことなど、とっくの昔に誰かが言っている陳腐な戯言に過ぎない。そのような自分の枠組みに固執せず、批判的に見るためには、読書が最善の方法だ」という――。

※本稿は、中田考『どうせ死ぬ この世は遊び 人は皆 1日1講義1ヶ月で心が軽くなる考えかた』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。

コーヒーを飲みながら本を読んでいる女性
写真=iStock.com/Farknot_Architect
※写真はイメージです

読書が楽しいと思えると、一生の暇つぶしにもなる

私は学校が嫌いでした。勉強はそれなりに得意だったと思いますが、友達付き合いも運動も苦手でしたし、兄弟もいませんので、家では本ばかり読んで過ごしていました。

そうやって知識は本から得ていたので、学校の授業は退屈極まりなかったですし、たまに先生が間違ったことを言うので、それを指摘するとか、先生からすれば相当イヤな生徒だったと思います。実際嫌われていましたし。

本は一人で一日中楽しめるし、図書館に行けばお金をかけずに楽しめる。哲学者のプラトンも「知ることが一番の快楽である」と言っています。そのことに気付ければお金なんてなくても楽しく過ごせるんです。

楽しいという感覚は人それぞれ違いますが、少なくとも読書が楽しいと思えると、一生の暇つぶしにもなりますしおすすめです。