今、金曜日恒例のイベントとなっているのが、首都圏反原発連合主催によるデモや抗議活動だ。主催者側の発表によれば、当初わずか300人程度だった参加者は回を追うごとに増加し、ついに20万人ほどの規模となった。抗議の舞台も首相官邸前から霞が関に群がる中央官庁周辺にまで広がった。

安保闘争以来ともいわれる規模になったにもかかわらず、この抗議活動は当初日本の主要メディアからほぼ無視されていた。なかには、原発反対側の声や動きを一切報道しないと言わんばかりの態度を貫こうとする全国紙まである。

私が普段から日本のメディアに対して抱いていた疑問はここまできて一気に膨らんでいた。『「本当のこと」を伝えない日本の新聞』――。ニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラー氏の新著の書名はまさにこの疑問に対する明白な回答をくれた一冊といってよいだろう。

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