いま韓国で日本産ウイスキーが売れている。韓国のウイスキー輸入額は過去最高額を更新しており、あまりの品薄ぶりに転売で稼ぐ人も現れているという。いったい何が起きているのだろうか。ジャーナリストの金敬哲さんは「日本文化が人気を博す中で、若者の間で日本のウイスキーを使ったハイボールが空前のブームになっている」という――。
韓国・ソウルの居酒屋「タボグダン」で提供されているハイボール
筆者撮影
韓国・ソウルの居酒屋「タボグダン」で提供されているハイボール。アールグレイ(写真右上)やグレープフルーツ(手前)、ブルーレモン(左)と、シロップを使ったフレーバーハイボールも人気

「ノージャパン」から「角ハイ最高!」へ

いま、韓国で日本文化が大人気になっている。アニメ、J-POP、小説などのコンテンツが若者を中心に支持されるだけでなく、日本の半導体品目輸出規制に端を発して2019年から3年間続いた「ノージャパン運動」のターゲットとなっていた日本製品も人気を回復しつつある。ユニクロは昨年8000億ウォン超(約809億円)を売り上げ、SPAブランドとしてシェア1位を獲得した。今年1〜3月の日本車の販売台数は前年同期比60.8%増を記録している。

日本産アルコール飲料類も目を見張る勢いで復権している。なかでも、売れすぎて1年以上品薄状態になっているのが日本産ウイスキーだ。この背景には、若年層を中心に巻き起こっている空前のハイボールブームがある。

ソウル江南区道谷洞の居酒屋「タボクダン」。テーブル10個余りのこじんまりした店内は、平日午後7時から若い女性客でいっぱいだった。職場の同僚たちと訪れたイ・ウンギョンさん(32歳)は、ハイボールの魅力をこう語る。

「カクテルより安くてビールよりおいしく、見た目もおしゃれです。たくさん飲んでも二日酔いにならないのも良い。最近では一般的な焼肉屋さんでも飲めるくらい大衆化してます」