GAFAに匹敵するソニーのポテンシャル
GAFAM以外で、注目すべきコングロマリットが1946年創業のソニーだ。
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は独自規格のハードウェアとそのゲームに加え、サードパーティーが開発したもののパブリッシングや流通も手がけており、世界一の売上を誇るゲーム会社となっている。また、有料ゲームのネットワークも世界第2位(プレイステーションネットワーク)、ゲームストリーミングのクラウドサブスクリプションも世界第3位(PS Now)である。
写実的なゲームエンジンも各種展開していて、SIEの『ザ・ラスト・オブ・アス』、『ゴッド・オブ・ウォー』、『ホライゾン ゼロ ドーン』などは業界史上まれに見るほど迫真かつクリエイティブなゲームだと評価されている。また同社のプレイステーションは、第5世代、第6世代、第8世代、第9世代のコンソールにおいて一番売れた製品であるし、2022年にはPS VR2プラットフォームも発売する予定だ。
ソニー・ピクチャーズも売上で世界一の独立系映画スタジオであるとともに、テレビや映画の独立系スタジオとしても世界最大となっている。半導体部門はイメージセンサーで世界をリードしていて、その市場シェアは50%近い(最大の顧客はアップルである)。ビジュアルエフェクトやコンピューターアニメーションの世界で高く評価されているイメージワークス部門もある。
スポーツ、音楽、アニメでも世界をリード
3Dシミュレーションによる再現で審判を支援するため、世界のプロスポーツで広く採用されているコンピュータービジョンのシステム、ホークアイもソニーの製品だ(サッカーチーム、マンチェスター・シティは、スタジアム、プレイヤー、ファンの様子をリアルタイムに再現するデジタルツインをこの技術で提供している)。
売上で世界第2位の音楽レーベル、ソニーミュージックもあれば(トラヴィス・スコットもソニーミュージック所属だ)、同じく傘下のクランチロールとファニメーションによってアニメストリーミングの世界をリードしているのもソニーである。これほどの資産やクリエイティビティがあれば、メタバース時代に大活躍できるはずだと思うだろう。ただし、課題もたくさんある。