※本稿は、『プレジデントFamily2022年秋号』の一部を再編集したものです。
東大生の親の共通点:子供の「『ありがとう』の心」を育てる
日々の「ありがとう」を出し惜しみしない
「家族から愛情を言葉や行動で示してもらいましたか?」の質問にYESと回答した東大生は76%。日本人は愛情表現があまり上手ではないといわれるが、愛情表現豊かな家庭で育った東大生が多いことがわかる。
「『家族だから言わなくても伝わるはず』『親子なんだからいちいち言葉にしなくても大丈夫』と、愛情や感謝を伝える言葉を口にしない人が多いかもしれません。でも、言葉やハグなどの行動で何度も表現してもらったほうが子供にはきちんと伝わります」
愛情の出し惜しみ厳禁。スキンシップ、声かけ、目を見て話すなど、日々のコミュニケーションの中に愛情と感謝をちりばめよう。
愛情を感じた具体的な行動を聞くと「頭をなでてもらったり、抱きしめられたりした」「送り迎えをしてくれた」「好きなものを食べさせてもらった」「誕生日を祝ってくれた」ことなどから間接的に愛情を感じ取っていることがわかった。ただし、単にその行動をまねすればいいというものではない。
「たとえば、朝の『行ってらっしゃい』という言葉ひとつにしても、掃除をしながら片手間で言うのと、玄関で目を見て『○○くん、行ってらっしゃい』と送り出すのとでは、受け取る印象は大きく違いますよね。子供のことを大切に思っている、子供は親に認められている、というのが伝わるかは言い方次第。まずは、目を見て話すことを心がけるといいでしょう」
また「『ありがとう』を言い合うことが多かった」という東大生のコメントで、前野さんが注目したのは「物を取ったとき」などささいなことという回答。
「たとえば食卓でのやりとりでしょうゆを取ってもらうとき『しょうゆ取って』『はい』。こんな会話になっていませんか? 親しき中にも礼儀ありで、こんなときも『ありがとう』と返す習慣があるといいですね。親がまず意識してみてください。『ありがとう』は対人関係の基礎になる大事な言葉です。『ありがとう』を言われることで、相手のためにいい行動をすることが嬉しいという利他的な心が育まれます。また感謝の言葉が出るのは、相手を尊重している証拠。家庭をそうした場にすることが、社会に出たときのコミュニケーション力へと結びついていきます」
さらに、前野さんがおすすめするのは、「○○ちゃん、ありがとう」と感謝や愛情表現の前に名前を呼ぶこと。
「自分の名前を呼ばれるだけで人は自分だけに向けられた言葉として、その感情を全部受け止め幸せを感じます。気持ちをきちんと相手に伝えるために、名前を呼ぶ。これは親子関係だけでなく、夫婦や友人、仕事仲間にも使えるワザですよ」
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