バツイチの男が絶望した「壁」の正体
離婚後、新井悠介さん(仮名、44歳)さんはマッチングアプリでのパートナー探しを試みる。再婚相手ではなく、恋人を探すことが目的だった。
「色々なアプリを試しました。僕は同世代の女性が良かったので、40歳前後の女性を中心に会いました。会った人数だけなら、20人くらいでしょうか。その中で1人、お付き合いした女性がいました。とてもきれいな人で、すごく好きになって、『こんな人に会えるなんて、離婚してよかった!』と思ったのですが、結局1カ月ぐらいで別れてしまいました。
彼女はこれまで一度も結婚したことがなく、僕はバツイチで子どもを抱えていた。この差は大きかったです。彼女は彼女で『なぜ私のことを分かってくれないの?』と思っているし、僕は僕で『色々と抱えているものがあるから、分かってくれよ』と思っているために、全然うまく行かなくて。こんなに好きになった相手でも、うまく行かないということが分かって、とてもダメージが大きかったです」
なぜ40過ぎた人の恋愛はうまくいかないのか
「40代になって恋愛しようとすると、こんなに面倒くさいんだ、と痛感しました。40歳を過ぎるとライフスタイルや価値観はもう固まっているのですが、自分の場合、20代で結婚したので、恋愛の感覚は大学時代で止まっているんですよね。だから、学生のノリで恋愛しようとしちゃうのですが、すぐに直面するわけですよ。もう40代であるという現実に。
この問題にぶつかっている人は多いと思います。僕はもうマッチングアプリはやっていないのですが、何カ月か前に少し覗いてみたら、当時やっていた人たちが、まだお相手を探していました。ああ、みんなうまく行ってないんだな、と思いました。
もちろんうまく行った人もいると思いますが、僕の肌感覚だと、7~8割の人はうまく行っていないんじゃないかな。この前も、元職場の同世代の女性と会って話したのですが、アプリで頑張って数十人と会ってみたけれど、やっぱりうまく行かない、と言っていました」
結婚などのブランクを経て、40歳を過ぎてから恋愛市場に再度参入した人たちは、自分の頭の中にある恋愛観と、現実の恋愛を享受するために必要な条件や能力に大きなズレが生じている、ということに、恋愛を始めてから気づくことになる。また歳を重ねることでライフスタイルや価値観が固まってしまい、お互いの事情に合わせてそれらをすり合わせることが難しくなる。

