なぜ自由に生きている男性ほど孤立するのか。社会起業家の坂爪真吾さんは「自由は脆く、自分では変えられない他者や物事と向き合わない限り、人は成長も安定も手に入れられない」という――。(第4回)

※本稿は、坂爪真吾『モテない中年』(PHP新書)の一部を再編集したものです。

マグカップを手に座っている男性
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孤立する40代男性に共通する思考の共通点

2021年の出生動向基本調査によると、現在の平均初婚年齢は、女性が29.1歳、男性が30.7歳。結婚に至ったカップルの結婚までの平均交際年数は4.3年間である。20代半ばで出会った相手と、30歳前後で結婚するという流れが、平均的なイメージだろう。

たとえば、「独身手当」のように、出会いが発生し、関係が発展する可能性のあるコミュニティに参加するための費用を独身手当として支給する、という制度があれば、パートナーを探すためのモチベーションを保ち続けることができるかもしれない。そのモチベーションがある限り、孤立せずに済む。

中高年男性が人間関係を作る機会を逸する背景には「自分は変わりたくない」という気持ちが隠れている。他人と関わるということは自分を変えなければいけないことである。それまでの人生で培った様々な価値観や習慣を変えなければ、他人と関係を育むことは難しい。

願望はあるけどそのプロセスが面倒

以前に取材したある中年男性は、「他人と関わる煩わしさを乗り越えてまで、孤独から脱出したくない、という人は多いはず」「確かにみんな結婚したがっているけれど、それはダイエットで痩せたい人と一緒で、人間関係の煩わしさを乗り越えてまで結婚したいかといえば、決してそうではない」と述べている。

他人と関わる煩わしさを乗り越えてまで、恋愛や結婚が実りあるものかどうかは実際にやってみないとわからない。やってみないと分からないもの、すなわちはっきりと期待できないものに対して人々を動機づけることは難しい。ダイエットの問題がおそらく未来永劫解決されずに続くことと同様、この問題を解決することは難しい。

孤独な人たちが孤独なままで生きることができる仕組みを作りつつ、「何かあったら、誰かが助けてくれる」「その気になればいつでも誰かとつながることができる」という期待を抱くことができる社会を作っていく必要があるだろう。個人の自由意志と自己決定が重んじられる社会では、「選べる」ことに価値が置かれる。現在では、かつては「選べない」とされてきた多くのものが(課金さえすれば)「選べる」ようになってきている。