※本稿は、中野信子『脳科学で解き明かすあの人の頭のなか』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
生まれつき記憶力のいい人と悪い人がいる
生まれつき記憶力がいい人というのは確実に存在します。
そういう人は、普通の人と遺伝子の塩基の型がたった一つだけ違うのです。
人間の遺伝子には、さまざまな情報を伝える膨大な数の塩基があります。
そのなかの一つ、ALDHという酵素の塩基の配列が違うことで、アルコール摂取によって発生するアセトアルデヒドを分解できる人とできない人に分かれます。
これと同じことが、記憶力にも起きています。記憶力がいいか悪いかは、お酒に強いか弱いかと似たようなものなのです。
「変わった人」は脳にいろんな違いがある
自分が世の中から浮いている理由を知りたくて脳科学の道を選んだ私は、研究を進めるうちに、自分と同じような人間が一定数いると知って、安心できた経験があります。
昔はわからなかった脳内のさまざまな反応については、脳や脊髄の活動を視覚化するファンクショナルMRIの登場によって詳しく知ることができるようになりました。
その研究データを見ていくと、脳の一部の機能が未発達であったり、過剰に活動している人たちが一定数、存在します。しかし同時に、脳のほかの領域を使うように努力することで、それらを補うこともできています。
人の顔立ちや体格が違うように、人によって脳にいろいろな違いが出ていたとしても、なんら驚くことではないのです。




