夏休み明けに子供が「学校に行きたくない」と言い出した時、親にできることはあるのだろうか。外資系企業で産業医を務める武神健之さんは「夏休み明けの学校はストレスを感じやすい。ストレスや疲れを感じたなら、まずは休ませることが基本だ」という――。

夏休み明けは不登校児童が増える時期

コロナ禍3回目の夏休みが終わりました。皆様はどのような夏休みをお過ごしでしたか。まとまった休みで心身ともにリフレッシュしたはずなのに、久しぶりの出社日こそ気持ち的につらいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は長期の休み明けは自殺者が増える、産業医としては気が抜けない時期になります。

長期休み明けの自殺者増加は、大人だけでなく、子供にもその傾向があります。自殺対策白書(H27)によると、春休み明け(4月上旬)・5月連休明け・夏休み明け(9月1日前後)の⾧期休業明けに、18才以下の子供の自殺者数が増加していることがわかっています。この中で特に、夏休み明けは、最多です。

自殺まではいかなくても、夏休み明けに不登校に陥るケースは多くあります。

2学期を頑張るにはエネルギーが必要

1学期に頑張ってきた子供は、夏休みにようやくリラックスできます。しかし、2学期頑張るためには、そこから再度、学校に通うエネルギーが必要となります。特に、学期初めは、決してポジティブに感じない学校環境に戻ることや、生活習慣を規則正しくすることにストレスを感じやすくなってしまいます。それにより大きなエネルギーを消費してしまうと不登校に陥ってしまうのです。

小学校の授業
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では、コロナ禍の夏休み明けに子供のストレスを察知したとき、大人たちはどのように対処すればよいのでしょうか? コロナ禍に限らず、子供はどのようなストレスを抱えていて、それがどのような形で現れるのか知っておくことで、親子ともにストレスへうまく対処する方法が見つかるかもしれません。今日は働く人ではなく、子供のストレスについてお話しさせていただきます。