子供のストレスの原因は、半分は「親」である

年齢にかかわらず共通していえるのは、子供が抱えるストレスの半分は、実は親のストレスが原因になっているということです。親がストレスを抱えて余裕がなくなってくると、そのこと自体が子供にとっても大きなストレスになるのです。

今は少しずつ慣れてきたとはいえ、コロナ禍では親自身がさまざまなストレスを感じていました。新型コロナウイルス感染症という未知のウイルスそのものはもちろん、慣れない在宅勤務や、新たな生活様式など、その原因はさまざま。そして、たとえ子供に対する言動には表れていなくても、親のストレスは知らず知らずのうちに子供に伝染します。親がピリピリしているだけで、子供にも伝わってしまうことを忘れてはいけません。

親に叱られて耳をふさぐ子供
写真=iStock.com/Hakase_
※写真はイメージです

親自身のストレスケアこそ子供のストレスケアになる

子供のストレスケアで忘れてはいけないのは、親自身が自分のストレスケアをしっかりすることです。これは、コロナ禍に限ったことではありません。親自身のストレスケアは、そのまま子供のストレスケアにつながるからです。

子供を保育園や学童に預けて働く親は、毎日がとても忙しいと思います。急いで仕事から帰ってお迎えに行って、帰ったらすぐに夕飯の支度やお風呂、宿題の面倒など、分刻みでやるべきことが待っています。しかし、家事や育児に追われて、いつの間にか自分を追い詰めてしまっている人がいます。自分に余裕がないと、そんなつもりはないのに、必要以上に子供を叱ってしまうという方も少なくないでしょう。真面目で家族愛に溢れる人ほどそうなってしまいますので、どうぞご注意ください。

簡単に始められる親自身のストレスケアは、30分でも1時間でもいいので延長保育などを活用し、その分の時間を自分のために使ってみることです。カフェでお茶を飲んでひと息ついたり、マッサージをしてリラックスしたり。それで少しくらいお迎えが遅くなったとしても、子供にとっては親がしかめっ面をしているよりはずっといいはずです。親自身にゆとりがあるかないかで、子供が感じるストレスには大きな差が生まれます。

親子に限らず、誰だって自分に余裕がなければ人に優しくなどできません。そう考えると、親はもっと自分自身を大切にして、自分のストレスマネジメントを優先していいのです。

2学期が始まりました。子供の様子に気を配ることはもちろん大切ですが、自身のストレスケアも意識的に行ってみてください。

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