「がんばれる子」が育った家庭にはどんな秘密があるのか。プレジデントFamily編集部が東大生150人に育った家庭の方針や親の声かけ・働きかけをアンケート調査。慶應義塾大学大学院で幸福について研究する前野マドカさんが調査結果を分析したところ、東大生の親には「ポジティブな姿勢を育てる」「ありがとうの心を育てる」「チャレンジ精神を育てる」「自分らしさを尊重する」という4つの共通点があることがわかった。今回は、どのように「自分らしさを尊重する心」を育てるのか、を紹介しよう――。(第4回/全4回)

※本稿は、『プレジデントFamily2022年秋号』の一部を再編集したものです。

東京大学のゲート
写真=iStock.com/ranmaru_
※写真はイメージです

東大生の親の共通点:子供の「自分らしさ」を尊重する

〈ため込んでいたものを全部聞いてもらって、心が楽になりました〉(文科三類1年)
親も完璧を目指さない。苦手も丸ごと受け入れて

自分の話を親によく聞いてもらったと思っている東大生は9割近い。

「子供は、親が真剣に向き合ってくれているかどうかを敏感に感じ取るものです。親が自分の話をきちんと聞いてくれるということは、自分が受け入れられているという感覚につながります」(慶應義塾大学大学院で幸福について研究する前野マドカさん、以下同)

働いていたり、きょうだいがいたりすると忙しく、子供の話をじっくり聞く時間がないという人も多いだろう。

前野さんは、「大切なのは時間の長さよりクオリティー」と断言する。たとえ寝る前の数分だけでも、子供としっかりと向き合えば、その気持ちは必ず伝わるという。

子供が「ねえねえ、聞いて!」と言ってきたとき、すぐに時間がとれないこともあるだろう。そんなときは、「あとで」とその場しのぎで先送りするのではなく、「寝る前にゆっくり話そうね」「週末にふたりでお出かけして話そう」などと、予定を設定しよう。

「すぐにではなくても必ず約束を守る、ということが大切です」

また「自分のいいところをわかってくれていた」は91%とこちらも高い割合に。「親はきょうだいや友達、近所の人とあなたを比べましたか?」に対しては60%が「比べなかった」と答えた。

「友達やきょうだいと比較されると、その人のようにがんばろうと思うのではなく、『自分はその人より劣っている』『自分は愛されていない』といったマイナスイメージとなってしまいます。それでは自分を受け入れてもらっているとは感じません。また『自分の子供時代は外で走り回っていたのに、なんでうちの子はインドアなの? 社会性がないのでは』と自分の子供時代と無意識に比べて心配する人もいると思います。不安になる気持ちはわかりますが、比較することで子供のモチベーションを下げてしまうのは同じこと。それぞれの子の個性や成長のペースがあると思ってのんびり構えましょう」

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