前野さんは、親世代に、自分は受け入れられてこなかったと感じている人が多い傾向にあるという。
「理想的な親像を目指して、仕事も家事も子育ても、全部きちんとやらなければ! とがんばりすぎている親御さんが多いですが、そんなふうに気負わなくて大丈夫です。子供の前で、親だってできないことがあるという姿を見せてもいいのです。親にも苦手なことがあると知った子供は、自分の苦手なことも負い目に感じず、ありのままの自分を認められるようになります。親自身が自分を受け入れ、肩の力を抜くことも大事ですね」
【家族に話を聞いてもらい「楽になったエピソード」】
●友達付き合いのことを相談して新しい視点をくれた(農学部4年)
●常にいろんなことを考えていて、全部口に出すと友達には引かれるな~と思っていたことを帰宅後、怒涛の勢いで話していました。基本聞き流してもらっているのですが、考えたことを話すことでストレス解消になっていました(文科三類2年)
●体のコンプレックスについて相談し慰めてもらった(工学部3年)
●小学校低学年で、私が苦手な子に対し冷たくしてしまったことを悔やんでいたとき、自分でそのことを家族に話した(理科一類1年)
●テストで酷い点を取ってしまったとき、普段はいい点を取るとほめてくれる親だが、そう落ち込むようなことではない、大丈夫と慰めてくれた(文科三類2年)