先行き不透明な時代、いつ何が起こるかわかりません。ファイナンシャルプランナーの高山一恵さんは「離婚を機に人生を再設定してガラリと変貌する女性もいます。彼女たちの挑戦は多くの人の参考になります」という――。

※この連載「高山一恵のお金の細道」では、高山さんのもとに寄せられた相談内容をもとに、お金との付き合い方をレクチャーしていきます。相談者のプライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください。

夫婦関係
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公務員と結婚してなんの心配もしていなかったが……

大学を出て就職し、寿退社して子どもを持つ。そんな“往年の既定路線”を歩んでいた専業主婦が突然、シングルで子育てをすることに。仕事や家計管理に無頓着だった彼女は離婚を機にガラリと変貌を遂げます。いつ、何が起きるかわからない時代にもっとも必要な「力」を彼女から学んでいきましょう。

その女性、村瀬幸さん(仮名/32歳)は25歳のとき、3歳年上の地方公務員と結婚しました。当時は正社員として330万円ほどの年収がありましたが、寿退社して専業主婦に。夫の年収は約500万円と、ハイクラスではないものの二人で暮らすには十分な額でしたし、なんといっても「公務員」の安定感は抜群です。

収入にしては、高い家賃のマンションで暮らしていて、家賃代が多少家計を圧迫していましたが、勤め先が潰れる心配がないわけですから、村瀬さんは大船に乗ったような気持ちで、「自分が働かなくてもなんの心配もしていなかった」と語っていました。

育児で外出もままならない時期に、夫の浮気が発覚

そして20代の二人は、「子どもがいない時期は思いっきり楽しもう」と、後先考えず散財を繰り返します。グルメサイトで高評価の店を探しては週に何度も外食をし、休みになれば旅行へ。おしゃれな村瀬さんは、常にファッションもトレンドに合わせた服を毎シーズン新調。とにかく、夫婦揃って浪費家だったのです。

健康でお金に困っていない若夫婦は、公務員という安定感の中で新婚ライフを満喫。そして3年後、村瀬さんが28歳のときにお子さんが誕生します。しかし、赤ちゃんのお守りで彼女が自由に出歩くことができなくなった頃、夫の浮気が発覚しました。