個人の資産作りでは何に投資すればいいのか。『東大生が学んでいる一生役立つ「株」の教科書』(SBクリエイティブ)を出した伊藤潤一さんは「投資先選びでは『これからどれだけ上がるのか』を判断できる根拠が重要だ。その意味でビットコインなどの暗号資産はおすすめできない」という――。
ビットコインの画面を見て悔しがる男性
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初心者が絶対に手を出してはいけない投資先

プロの投資家と、個人の投資家が違うのは、プロの投資家は、顧客からお金を預かって運用しているため、間違いが許されないというところにある。

したがって「これからどれだけ上がるのか」が判断できる指標や根拠がなければ、プロは投資をしない。

数ある金融商品も、その視点で考えていくと、わかりやすいのではないかと思う。まずは外国為替投資(FX)から見ていこう。

【①外国為替投資・FX】

プロの目から見て、「まあ、これには投資しないだろうな」というのは、外国為替とFX。外国為替は、他の国の通貨を買うこと。たとえば1ドル100円の時にドルを買って、1ドルが120円の時にドルを売って、差額で利益を得る、という投資だ。

なかでもFXは、外国為替取引の中でも、自分の資金を証拠金として金融機関に預けることで、自己資金より多額の資金で運用し、より多くの利益を出そうとする商品。ただし、額が大きい分損失も大きくなることに注意が必要だ。

FXは自分が持っている資金以上の大きな額で運用できるため、個人の間で人気を集めているけれども、自分だったら投資はしない。

先ほど説明した通り、投資は、これから価値が高まりそうなものに投資して、その差を利益にする、というのが基本的な考え方だ。だから、ちゃんと本質的な価値が計算できて、明らかに割高となれば自然と売りが出てくるし、割安となれば自然と買いが出てくる。