「この先どうしたらいいのでしょうか」

「ミャンマーの若者たちは、アウンサンスーチー氏の政権下で、自分の夢に向かって努力してきました。しかし国軍はそんな国民が持つ夢などお構いなしにクーデターを起こしました。今は国民がいくら抗議しても、国軍がさまざまな方法で阻止しています。国民の人権と発言の自由を犯す国軍を前に、私たちはこの先どうしたらいいのでしょうか……」

ミャンマーの首都ネピドーで2月15日、拘束されたアウンサンスーチー氏の釈放を求めるデモ隊
写真=AFP/時事通信フォト
ミャンマーの首都ネピドーで2月15日、拘束されたアウンサンスーチー氏の釈放を求めるデモ隊

2月1日のミャンマー国軍によるクーデター発生から2週間余りがたった。そんな中、マンダレー出身で日本在住の女子大生ナインさん(22歳、仮名)に話を聞くことができた。「ネットが寸断されて、現地との連絡がいつ途絶するか分からない」という厳しい状況の中、思いの丈を語ってもらった。

国軍は「総選挙に不正があった」と正当性を主張

今回のクーデターについて、国軍は正当性を次のように訴えている。

ミャンマーでは2020年11月、総選挙が実施された。国際監視団も見守りながらの投開票の結果、アウンサンスーチー氏率いる与党・国民民主連盟(NLD)が議席の8割以上を獲得する圧勝を収めた。しかし国軍は「総選挙の有権者名簿をめぐって、不正があった」と主張。選挙管理委員会に何度も訴えたが受け入れられず、やむなく実力行使に出たとしている。

アメリカなどの国際社会は、クーデターが発生する数日前から「11月の選挙結果を遵守するよう」呼び掛けてきた。しかし国軍はこれを無視してクーデターを起こした格好だ。

ナインさんは「(民主的に選ばれた)大統領やアウンサンスーチー氏を捕まえたり、国民の自由を侵害したりする活動を始めています。私自身、こうした国軍のやり方は大嫌いですし、ミャンマーの国の将来が悪くなるのも明らかですよね。国軍が出てきたために、ミャンマーはわずか数日で独裁政治の国になってしまいました」と現状を強く憂う。