FP相談をする人の実態「有料2割、無料8割」

とはいえ、そもそもFP相談を経験してみなければ、その有用性も実感できない。

日本FP協会が実施した、FP顧客満足度調査(2015年)によると、実際にFP相談を受けた経験者の満足度は、7割~8割以上と相対的に高い。

また、FP相談を今後「利用したい」あるいは「どちらかといえば利用したい」と回答した割合は85%とこちらも高くなっている。とくに、利⽤意向が高いのは男性20代(93.8%)と⼥性30代(92.6%)と9割以上。また、この調査では、回答者のほとんどが無料のFP相談を受けた人だが、利用意向は、相談料が有料の場合では利用意向が91.1%と非常に高い点にも注目したい。

「FP相談料1万円をケチる人は結局損をする」

前掲の2つの調査からは、そもそもFP相談に関心がない、意味がないと思っている人がほとんどであること(今は多少増えているかもしれないが)。その一方で、FP相談を受けてみると、その価値が実感でき、今後も利用したいと考える人が多いことがわかる。

したがって、お金のことをFPに相談してみたいけれど、どういうメリットがあるかわからないという人は、日本FP協会などが実施している無料相談で体験してみるのもお勧めだ。

ただし、無料相談と有料相談はまったく異なる。

前者は、あくまでも一般的なアドバイスで、細かに顧客情報を聞き取ることはない。時間も50分から1時間程度だろう。

ボトルにラベル、金融資産ギャップのイメージ
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

それに対して後者は、事前に顧客情報を分析した上で、その方の状況やニーズに合ったアドバイスを行う。相談時間も初回なら1時間半から2時間程度かけてじっくりお話をお伺いするのがほとんどである。

そして、何かお金に関して心配なこと、気になることが出てきたり、ライフプランが変更したりした場合は、その都度、連絡が来て追加の相談を受ける。

FPが他の専門資格と異なるのは、守備範囲の広さと包括的なアドバイスができること、将来に対する対策が講じられる点である。

相談内容が自分では手に負えない場合は、早々にネットワークを組んでいる他の専門家にリファーするし、キャッシュフロー分析をすれば、いずれ生じるであろうリスクも「見える化」できる。

FPの選び方などは、以前、プレジデント本誌で取材を受けた以下の記事(2019年3月18日号)を参考にしてほしい(「FP相談料1万円ケチる人は結局損をする」)。

実際に「これを読んでその通りだと思って相談に来ました」という20代男性がいたが、富裕層になるかならないかは、このフットワークの軽さと実行力なのかもしれない。

【関連記事】
定年後にぶつかる人生の大選択…「一時金か年金か」選択ミスで130万円の損
資産運用のニューノーマル、目指せ「死ぬまで金持ち、死ぬほど金持ち」
コロナ禍だからこそ見習いたい、イマドキ富裕層が「しない」生活習慣7つ
「外食代の節約10年で755万円」1億円貯めた女性が毎日食べているもの
年収500万「節約だけで1億円」貯められる人の共通点8つ