どうして彼らは「富裕層」になれたのか?

彼らが富裕層となった理由としては、次のようなものが挙げられる。

・実家が資産家で、富裕層である親や祖父母からの相続、生前贈与を受けた。
・バリバリと高収入で稼ぐDINKSで、気がついたら、夫婦それぞれ5000万円以上貯まっていた。
・海外赴任している間に、現地の高金利商品で運用した(継続中含む)。
・起業や新規株式公開(IPO)、事業売却などで保有資産が増加した。
・株価上昇によって、株式や投資信託、不動産などの保有資産の価値が上昇した。

などである。

大別すると、親の財産を引き継いでリッチになったか、自分自身で財産を築いてリッチになったかに分けられるだろう。

2020年は、3月に新型コロナ感染拡大の影響で、日経平均株価は1万6000円台まで急落した。ところが11月17日、バブル期以来、何と約29年ぶりに2万6000円を回復し、このまま3万円台まで到達するのではないかと見る人もいる。

今年タイミングよく投資できた人の中には、めでたく「億り人(おくりびと)」に仲間入りとなった方もいるに違いない。

ユニクロ大好き、富裕層といっても実は「普通の人」がほとんど

ただ、株価の上昇で保有資産の評価額があがり、富裕層になった人は、資産を売却して収益を現金化すれば、お金持ちになったことを実感できるだろうが、そうしない限り、生活は変わらない。

着るモノはユニクロで十分だし、時計は国産で、クルマも中古。その日に食べきるなら、スーパーの値引きシールが貼られたものを迷わず手に取る。

ユニクロ・ニューヨーク店
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かつてバブル期に、「にわか金持ち」になった人が、海外旅行に行って、ブランド物を買いあさり、高級外車やマンションを購入。バブルが弾けたとたん、ローン地獄に陥ったことに比べると、非常に堅実かつ地味である。

昨今の富裕層は、今の状況が続くとは限らない、先が見えない不透明な世の中であることを肌で感じているのだろう。筆者の印象では、今どきの富裕層はブランド品で全身を固めるというより、外見や雰囲気はそうでない普通の方と何ら変わらない。

では、何か違うのか?