米国のファーウェイ制裁で窮地迎える韓国経済
9月15日、米商務省が中国の通信機器大手ファーウェイに対する半導体輸出規制を発動した。そのことがSKハイニックスやサムスン電子などの韓国企業と経済に与える影響はかなり大きい。なぜなら、ファーウェイは韓国半導体産業の重要顧客だからだ。日米の技術や資金提供を必要とする韓国企業が米中対立の先鋭化に自力で対応することは容易ではない。
年初来、韓国経済にとって半導体産業は造船とともに景気の落ち込みを食い止める役割を果たした。今後、中国向けの半導体輸出が減少すると、韓国経済の下振れ懸念は高まらざるを得ないはずだ。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響も重なり、個人消費も厳しい。それに加えて、中国のIT先端分野の産業構造は韓国よりもはるかに重層的だ。各社は米国の圧力を跳ね返そうと自助努力を重ね、韓国企業を追い上げている。
韓国経済の先行き懸念は追加的に高まっている。現状、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が政策面からその懸念を払拭することは難しい。それに加えて閣僚への批判の高まりによって文氏の支持率は再び低下し始めた。世論のつなぎ止めを狙って文氏が反日姿勢をこれまで以上に鮮明に示す展開は軽視できない。