大学で、数学“零点”を取った評者のトラウマを払拭してくれる

数学、と聞くと顔を曇らせる人は少なくない。文系一直線で会社を切り盛りしてきた部長が、夜半に数学の入門書をこっそり読むのは、企画会議についていけなくなったからだ。そうした「数学苦手人」にうってつけの好著が出た。

永野裕之『とてつもない数学』(ダイヤモンド社
永野裕之『とてつもない数学』(ダイヤモンド社

本書は東大理学部を出て数学塾を経営する著者が、生徒指導のノウハウをふんだんにちりばめた科学エッセイ。「とてつもない」という切り口から数学の魅力を存分に語る。

内容は中学数学の初歩から未解決の超難問まで、選ぶ話題は縦横無尽だ。特に、古代ギリシア以来の数学史を追いながら、何がポイントだったかを的確に説明する(2章)。ピタゴラス、フェルマー、ニュートン、ガウスなど、聞いたことのある名前もたくさん登場する。古来、天才数学者には奇想天外のエピソードがつきもので、それを知るだけでも数学アレルギーはどんどん消えてゆく。

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