地質学を通して感じるのは「永遠性」ではなく「豊かにあふれる時間」
地質学は地面の成り立ちや地球の歴史を研究する学問で、高校では理科の教科「地学」に含まれる。ノーベル賞に該当がない地味な分野なので、多くの人は地質学者に出会うことはまずないのではないか。
本書はその地質学が人間の経験する限界を超えて時間を見る新たな「レンズ」を与えてくれることを説く。米国ローレンス大学教授の地質学者が、自然から疎遠になった現代人に向けて熱く語る科学エッセイである。
副題の「タイムフルネス、新たな時間認識」とは、著者が地質調査のため山へ分け入って得た感覚である。「風や波の音に心が洗われて(中略)過去の出来事が今もなお存在し、いつかそれらが、美しい啓示の中で再び繰り返される」(本書8ページ)。こうした認識について著者は、タイムレスネス(永遠性)ではなくタイムフルネス(豊かにあふれる時間)を垣間見るものと熱く語る。
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(イラストレーション=保光敏将)



