戦争と経済の密接な関係といっても、多くの人は死の商人や産軍協同といったミクロなイメージしかない。だがその関係はずっと強い。そもそも現代のお金やマクロ経済の仕組みそのものが、度重なる戦費捻出のアクロバットの成果なのだから。
本書はその絡み合いを、太平洋戦争における日本の銀行の活躍を通じて描き出す。副題のとおり、無謀な太平洋戦争実現のため、すべてを戦争に振り向ける――そのための仕組みが銀行と金融だ。政府/軍の大量の国債発行を引き受け、それをもとに通貨を発行、外地と内地の中央銀行のやりとりでバランスシートをふくらませて資金を捻出、一方でインフレも抑え……。
だが、主にこうした会計操作と制度構築の序盤から中盤に入り、敗戦がほぼ確実になったあたりから話は一変する。無謀な戦いに固執する軍の金庫番を務めつつ、決済手段の紙幣発行を担う主体として、逃げ回りながらその機能を維持するのが精一杯。銀行自体も戦闘に巻き込まれ、同時に引き揚げ者たちの植民地紙幣の両替需要にも対応。空襲の中でも、原爆投下後すらわずか2日で営業を再開。
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