韓国の格差社会を描いてはいなかった映画『パラサイト』

ポン・ジュノ監督の韓国映画『パラサイト 半地下の家族』は、映画史に残る事件となった。カンヌ国際映画祭のパルムドールとアカデミー賞作品賞をW受賞したのは64年ぶりで、非英語圏の作品としては初の快挙だ。

下川正晴『ポン・ジュノ 韓国映画の怪物(グエムル)』(毎日新聞出版)
下川正晴『ポン・ジュノ 韓国映画の怪物(グエムル)』(毎日新聞出版)

ソウルの半地下住宅に住む4人の貧困家族が、上流社会の家庭に潜り込む(パラサイトする)が、その家の地下室に寄生していた貧しい夫婦と争いになり、ついには3家族入り乱れての殺し合いに。