キャンペーン対応で疲弊するという本末転倒ぶり
7月下旬段階では、東京都だけがキャンペーンの対象外となっているが、コロナの感染は広がる傾向にある。政府は現時点で、東京以外をキャンペーンの対象外にする考えはないとしているが、今後大阪や愛知など大都市圏で感染者が増え、Go To トラベルの対象外になったらどうなるのか。
対象外地域が拡大した際に、あおりを受けるのは業界関係者だけにとどまらないだろう。旅行を予定していた人がいよいよ出かけるという段階で、行き先あるいは自分が住む道府県が対象外になってしまい、支援金を削られる事態もありえる。
政府は「東京外し」でキャンセル料が必要となった人々への負担分の処理は、ひとまず「一定条件で政府が面倒を見る」といった格好で解決をみたが、今後こうした「被害者」の範囲が増えることも想定しておくべきだろう。
Go To トラベルの話題がマスコミで大きくあおられたことで、巷では「旅行をする」という行為そのものを否定する声も上がってきている。その上で、現場で顧客との最前線に立つ人々が「キャンペーンの対応で疲弊する」という本末転倒な状況が膨らみつつある。コロナの感染は都市部を中心に再燃する兆しはあるものの、旅行業界では「キャンペーンで大勢の人々が来てくれることを望む」というのが本音だろう。
迷走するGo To トラベル。早急に信頼性の高い仕組みの下で運営されるようになることを望みたい。