緊急事態宣言解除後の経済再開の起爆剤として政府が企画した「Go To」キャンペーン。しかし知事たちをはじめ地方からの反発が強く、実施直前になって東京都民や都内観光を除外するという形に後退した。この混乱を招いた原因は何か。知事・市長を経験した橋下徹氏がずばり指摘する。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(7月21日配信)から抜粋記事をお届けします。

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本当に難しい感染症対策

7月22日からコロナ禍における政府の目玉経済対策「Go To トラベル」が始まる。これは菅義偉官房長官が特に力を入れている政策だ。

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ところがこのGo To トラベルが大混乱している。当初は22日から一斉に開始と謳っていたが、東京都民・東京都は除外。そのことによって予約のキャンセルが殺到した。キャンセル料について、赤羽一嘉国土交通大臣が補償はしないと強弁していたところ、一転して補償する流れになるようだ。

そもそも、このGo To トラベルに対しては、地方の首長たちから様々な意見が出ていた。「このような政策を、今、全国一律でやるべきではない」という声が強い。

国民世論もそのような傾向であることを政府は察知し、急遽、東京都内の観光と東京都民はGo To トラベルの対象外になることが決定したのだ。

感染症対策は本当に難しい。僕のような無責任なコメンテーターの立場で政治行政を批判することは簡単だが、実際に当事者として対策を実施するのは至難の業だろう。コメンテーターでほんとよかった(笑)