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「及第点」の日本国憲法に欠けているのは国民投票を経ていないこと
コロナ対応に追われたまま、安倍晋三首相は任期の残り1年を迎えるのだろうか。
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いや、それでは安倍さんにとって不本意なはずだ。
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僕も日本国憲法の中に不満なところは色々とある。それでも今の日本の国の状況が落第点かと言えばそうではない。これだけ権力に対して自由気ままに意見ができ、もっと言えば、権力者をぼろクソに罵ることができるなんてほんと良い国だ。
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もちろん今の日本の政治行政が100点満点というわけではない。それでも、これだけ権力者をぼろクソに批判できるということ自体で、十分に及第点はあるんじゃないか。
日本という国をそのような国にしているのが、まさに日本国憲法なんだ。
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そのうえで言うと、このような日本国憲法の最大の欠陥は、その成立から現在にかけて、国民が一票を投じて信任したことは一度もないという一点に尽きると思う。
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憲法とは国の背骨に当たるものだ。単純な法律とは違う。ゆえに国会の審議だけでは不十分だ。
だから世界各国においても、憲法を制定する場合には、国会とは別の憲法制定国民会議を開いたり、国民投票に付したりするものだ。
この点、日本国憲法は成立過程において、敗戦直後、突貫工事的に作られたものであることは否定できない事実である。
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こんな超スピード実施を、今のメディアや学者、それに野党が目の当たりにしたなら、「拙速すぎる!!」と猛反対していたに違いない。日本国憲法はそれくらいの超スピードで実施されたのだ。
だからこそ、国民の意思を確認するために国民に一票投じてもらう国民投票が必要だと考える。
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僕は安倍さんと、6月20日の『NewsBAR橋下』(ABEMA)の番組内で、限られた時間ではあったが、以上のような話をした。
安倍さんも「国民投票は必要だ」ということを強く語られ、その思いには並々ならぬものがあったと僕は感じた。
憲法改正の国民投票に足をかけることなく、このまま来年の9月で任期満了となるわけがない。このままの任期満了で、安倍さんは自らの政治家人生に完全燃焼を感じるはずがない。
と、僕は勝手に思っている。