見切り発車で始まったらトラブルが続発
ずさんな制度設計により、旅行業界と利用者となる一般市民の両方から悲鳴が上がっている「Go To トラベル」キャンペーンが7月22日から開始された。ここへきて新型コロナウイルスの市中感染が広がる中、東京都民への適用や、都内での滞在が認められない「東京外し」といったスッキリしない出足となった一方、「4連休中はほぼ満室だった」と答えるホテルもあり、一定の効果があったことも伺える。
ただ、支援を受ける側である宿泊機関では、手続きの煩雑さと情報の錯綜などで足を引っ張られる事態が2週間近くも続いている。筆者が集めた関係者の声をもとに現状を分析したい。
Go To トラベルは、7月22日のキックオフ時点で、運営窓口となる事務局が立ち上がっておらず、見切り発車だった。その結果、利用者はとりあえず全額を支払い、チェックアウト時などに宿から交付される「宿泊証明書」を使って、後日、補助金分を請求することになった。しかも「東京外し」も起こり、手続きは非常に複雑だ。
案の定、キャンペーン開始から10日余りがたった現在、宿泊施設ではこんなトラブルが起きている。整理すると次のようになる。