親には一日も長く、元気でいてほしいもの。現役世代から親世代にできる働きかけを、専門家に聞いた。

放っておけば老化が加速し、死亡リスクも高まる

外出頻度が減って1人で家に閉じこもりがち、歩くのが遅くなった、食事中にむせることが多い――最近、あなたの親にそんな兆候はないだろうか。それはもしかすると「フレイル」かもしれない。フレイルとは加齢に伴って心身が“衰えた”状態。健康と病気(要介護)の中間的な段階で、早く気づけば本人次第で再び「健康」に戻れるが、放っておけば老化が加速し、要介護につながって死亡リスクも高まる。

公園を歩いていたら老夫婦
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フレイル予防研究の第一人者である医師で、東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授は「対策をとれば、フレイルを先送りできる」と説明する。

「フレイルには筋力低下のような身体の虚弱(フィジカル・フレイル)、認知機能低下やうつ傾向などの精神心理性虚弱(メンタル・フレイル)、社会との関わりが希薄な社会性の虚弱(ソーシャル・フレイル)が存在します。比率が高いのは、筋力や歩行速度が衰える身体面。ぜひ親御さんに、現在の自分の筋肉量を簡単にチェックできる『指輪っかテスト』を勧めてほしい」