暴飲暴食で腸に負担がかかり、炎症を起こすことを「腸のむくみ」という。医師の大久保政雄氏は、「腸のむくみは大腸がんのリスクになるが、痛みを感じにくく、ひどくなるまでなかなか気づかない」という——。

※本稿は、大久保政雄『大腸がんで死にたくなければ腸のむくみをとりなさい!』(すばる舎)の一部を再編集したものです。

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大腸がんは増え続けている

現在、日本人が最も多くかかっているがんをご存知でしょうか? 答えは、「大腸がん」です。がん検診が推奨され、前がん段階での早期発見が可能になっているにもかかわらず、日本人の「大腸がん」の罹患率は、下のグラフのように右肩上がりで増え続けています。

大腸がん 罹患率(全国推計値)年次推移[全年齢]
年齢階級別 大腸がんの罹患率(全国推計値・2015年)

※編集部註:本文に合わせ、図表1を追加しました。(2月13日12時46分追記)

大腸がんは、生活習慣と深くかかわっている病気です。腸は私たちが食べたり飲んだりした物すべての残渣ざんさ(残りカス)が便になる過程で、最後に必ず通過していく通り道ですから、食生活の影響を特に受けやすい臓器なのです。暴飲暴食を続けていると、大腸も悲鳴を上げますが、腸の最も内側の粘膜には神経がないため、炎症が起きていても痛みを感じにくく、ひどくなるまではなかなか気づきません。

これこそが、「腸がむくんでいる」状態なのです。