「痛みに効果がある」と続けている習慣や運動が、症状を悪化させているかもしれない。腰痛や関節痛について、10のテーマに応じて専門家に聞いた。第10回は「畳とソファとチェア」――。(全10回)

腰や首をダメにする椅子とは

自宅でのプラベートの時間くらい、リラックスしたいもの。しかし、実は皆さんがリラックスできるゆったりとした姿勢は、ほとんどの場合で腰や肩にはよくありません。

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最もお勧めできないのが、フカフカのソファです。ソファに座った姿勢を思い浮かべてみてください。腰が沈み込んで、背中が丸まった姿勢になっています。つまりは、典型的な「猫背」になっているということ。リラックスできるということは筋肉の緊張がない状態ではいられるものの、その分、背骨の腰の部分(腰椎)には負担がかかっているわけです。

その状態でさらにテレビを見たり、スマホを扱ったりすると、首が前に出たり下を向いたりして、頭を支える骨(頸椎)への負担もますます進む。いってしまえば、柔らかすぎるソファは、「腰や首をダメにする椅子」です。