「痛みに効果がある」と続けている習慣や運動が、症状を悪化させているかもしれない。腰痛や関節痛について、10のテーマに応じて専門家に聞いた。第2回は「男と女」――。(全10回)
「国民生活基礎調査」(厚生労働省平成28年)によれば、病気やけがなどの自覚症状のうち男性にもっとも多いのは腰痛。女性では肩こりとなっている。その違いはどこから起こるのか。5万人以上の治療実績を誇る鍼灸師・福辻鋭記氏に話を聞いた。
男性は腰痛、女性は肩こり
私の治療院の患者さんでも、腰痛は男性に多く、肩こりは女性に多いのが特徴です。なぜこのような違いがうまれるのでしょうか。それを理解するには、男女の骨格の違いを知ることが大切です。
男女の骨格で、大きく違うのが骨盤です。男性は「バケツ型」といってやや縦長で広がりがなく、女性は「タライ型」で、横に広がったかたちをしています。上半身では、肋骨の前面下部で左右の弓状の部分(肋骨弓)がつくる角度において男女差があります。おおむね男性のほうが広く、女性では広がりがありません。そこで、男性はいかり肩、女性はなで肩の人が多いのです。
これらの骨格の違いから、痛みが出る部位も変わってきます。