「痛みに効果がある」と続けている習慣や運動が、症状を悪化させているかもしれない。腰痛や関節痛について、10のテーマに応じて専門家に聞いた。第3回は「肥満と痩せ型」――。(全10回)
骨格が違えば太り方も違う
一口に肥満と言っても、骨格の違いにより脂肪のつき方には特徴があります。前述のとおり、男性は女性と比べて、肋骨の前面下部で左右の弓状の部分(肋骨弓)がおおむね広く、骨盤は広がりがない骨格をしています。
そのため、肋骨の下から太鼓腹がせり出すような状態に脂肪がつき、メタボ検診でいうところの内臓脂肪の多い「リンゴ型」になりがちです。そのため、背中が反り返った姿勢になり、慢性的な腰痛を招く大きな原因となります。
一方、女性は、おおむね肋骨に広がりがなく骨盤が横に開いている骨格で、下腹部やおしり、太ももに皮下脂肪がつきやすいため、太ると下ぶくれの「洋ナシ型」になりやすい。すると、膝や股関節に負担がかかるようになります。また、皮下脂肪のたまりすぎは、女性ホルモンに影響するため、月経異常や不妊になるおそれもあります。