「痛みに効果がある」と続けている習慣や運動が、症状を悪化させているかもしれない。腰痛や関節痛について、10のテーマに応じて専門家に聞いた。第9回は「革靴とスニーカー」――。(全10回)

長時間歩いても足腰に響かない歩き方

革靴とスニーカーでは、クッション性においてスニーカーのほうが圧倒的に優れています。靴底が硬く、先端が細いトラディショナルな革靴は足に負担がかかります。理想は、見た目はビジネスシューズでウオーキングシューズの機能を持った靴。靴底がゴムでできていてクッション性がある物がいい。これだけでも、疲労が格段に抑えられます。

写真=iStock.com/Rawpixel
※写真はイメージです

また、紐のないスリッポンタイプよりも、靴紐や面ファスナーで足を押さえることができるタイプの靴がいい。足を安定させ、最適なフィット感を出すためには、紐などで調整する機能が必要です。

つまり、靴底が本革で硬く、紐のない細身の革靴が、足への負担を考えると最悪。ビジネスマンに一番人気があるタイプの靴が、一番足には悪い靴ということです。

革靴を快適に履くならば、インソールで調整することは、ある程度可能です。市販品のインソールもありますが、自分の足に合っていないと、効果がないばかりか、かえって痛みが生じてしまうこともあります。外反母趾や扁平足といった足の病気であれば、整形外科医が必要と診断した場合には健康保険で、自分の足に合ったインソールを型取りして作ることができます。