足のアーチを支えるインソール
外反母趾や扁平足がある人には、もともとの中敷きが取り外せることもポイントです。足のアーチを支えるインソールを入れるためには、既存の中敷きを外して、足を矯正できるインソールに入れ替える必要があるからです。中敷きを外さずにインソールを入れてしまうと、靴が窮屈になってしまいます。かといって、大きい靴にインソールを入れても、足にフィットしないので、快適にはなりません。
しかし、インソールと腰痛の関係は医学的にはまだわかっていません。「腰痛にいい靴」「インソールで腰痛を治す」と謳っている商品や整体院に対しては、「エビデンスがない」と腰痛ガイドラインには記載されています。
足の最も大切な機能は、歩行の際に体にかかる衝撃を吸収する「ショックアブソーバー」としての機能です。足が地面についたときの衝撃は、土踏まずのアーチが軽く潰れることで吸収され、衝撃が体に直接に伝わらないようになっています。衝撃がおさまると土踏まずは、速やかに回復して、足全体でクッションの役割を果たします。
靴やインソールはショックアブソーバーの補助として重要です。特にアーチが落ちた扁平足や、アーチが高すぎる凹足といった足では、ショックアブソーバーの機能が落ちているので、適切な靴やインソールがないと体への負担が常にかかることになります。正常な足でも、適切な靴やインソールは、足の負担を軽減するのに役立ちます。
では、どのくらいの高さの足のアーチの支えが必要かですが、それには自分の感覚が一番の指標になります。履いたときに、土踏まずが支えられる感覚を心地よく感じるかどうかを判断して、靴やインソールを選びましょう。
【結論】本革で硬く、紐のない細身の革靴は足腰に響く
(構成=伊藤達也 撮影=藤中一平)