人間的成長につながったシアトル留学

【三宅】三田さんは昔から自分の意見をしっかり持たれるタイプだったのですか?

【三田】あまりそのようなタイプではなかったのですけれども、大きな転機になったのが高校3年生のときアメリカのシアトルに1年間ホームステイさせてもらえた体験です。この留学が私を人間的にひと回りもふた回りも大きくしてくれたと思っています。

【三宅】どのような学びがありましたか?

【三田】当時の私は本当に海外に対する憧れが強くて、実際に暮らしてみてその思いはさらに強まりました。しかしそれ以上に、私が当たり前だと思っていた日本での生活が、家族や友人のサポートなしでは成り立たないということ、そして私がどれだけ恵まれてきたかということを実感しました。

【三宅】それは大事な気づきですね。

【三田】大きかったですね。そしてもうひとつの大きな学びが「自分の意見を持つ」ことの大切さです。現地の高校に通って授業に出ていると、アメリカの高校生は自分なりの意見をしっかり持っていて、ちゃんと主張するんですね。ディベートの授業とは一切関係ないところで積極的に手を挙げて「あなたの意見はここが間違っている。自分はこう思う」といった主張が飛び交います。

【三宅】日本人は戸惑いますよね。

【三田】はい。「うわー、すごいなー」と思いながらその議論を眺めていたら、急に「友梨佳はどう思うの? 日本ではどうなの?」とボールが飛んできたりして(笑)。そこでしどろもどろになったりしながら、私に致命的に足りないのは自分の意見を持つことだと痛感しました。

【三宅】そのような姿勢はこれからの日本人に必要だと思いますか?

【三田】日本文化の良さや日本人の誇りは絶対に大切にするべきところだと思いますけれども、日本人がグローバルで活躍するためには海外の方たちと対等に歩を進めていかないといけません。やはり自分の意見をしっかりと持って、自信を持って発信していくことが大切ではないかなと思います。

英語字幕で活きた英語を身につける

撮影=原 貴彦
フジテレビの三田友梨佳アナウンサー

【三宅】英語のお話を伺いたいのですが、三田さんは幼稚園のころから英会話スクールに通われ、毎年のように海外に行かれていたので留学の段階で英語の苦労はあまりなかったのでは?

【三田】そうですね。さすがに授業となると知らない専門用語がたくさん出てくるので勉強しましたけれど、日常生活での苦労はあまり感じませんでした。

【三宅】さすがですね。ではその留学を経験して、一段と英語が強化された感じでしょうか?

【三田】はい。「英語で夢を見るくらいになると英語に対する耳の穴がパッと開く」という噂はもともと聞いていたのですけれど、たしかに今思うと留学中に英語で夢を見はじめて、そこから英語の苦労がかなりなくなった気がします。

【三宅】留学前にはどのような学習法をされていましたか?

【三田】映画を英語字幕でひたすら観ていました。やはり自分が好きな映画ですと苦ではないですし、日常で使える単語や言い回しがたくさん出てきますので、そこでの学びは大きかった気がします。