自分のほうが相手よりも優位であることを示したい

「マウンティング」という言葉は、以前は聞かれなかったと思うけれども、最近は学生も、下手をすると小学生くらいでも、口にするのを耳にするようになった。

「自分のほうが上だ」というアピールは、公私を問わずよく見られる光景だ。(PIXTA=写真)

学歴や、地位、容姿などを理由として、自分のほうが相手よりも優位であることを示すような発言や、行動。SNSや、実世界を含めて、そのような言動が目につくようになったから、マウンティングという言葉が流行っているのだろう。

上下関係やヒエラルキーに敏感な男性だけでなく、女性の間でもその傾向はあるらしく、だからこそ「マウンティング女子」というような言葉が流行語になったりする。

マウンティングが流行る時代の状況として、人と人との関係が流動的になって、ネットワークが拡大しているということがある。

一昔前のように、人間のネットワークが固定的で、狭い世界の中での関係性しかないときには、改めてマウンティングしなくても当たり前に上下関係はわかった。敬語も自然に使われたし、誰が優先されるべきか、尊重されるべきかも合意があった。