認知症には「銀の弾丸」ではなく「魔法のじゅうたん」

人生100年時代と言われるように、寿命が延びることは結構なことである。

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狼男を撃退できるといわれた「銀の弾丸」は、現代も比喩的に使われる。

人は、一日ごとにいろいろなことを経験して、世界観、価値観が深まっていく。

長く生きて、人生や世の中についての理解が深まって、さまざまな発見があることほど素晴らしいことはない。

ただ、懸念されるのは認知症のような加齢に伴う病気である。認知症になってしまうと、せっかく長生きしたとしても、新しい経験から学んだり、理解を深めていくというたのしみが奪われてしまう。

現在のところ、認知症を確実に改善する治療法は確立していない。人情としては、劇的によくなる薬を期待したいところだが、なかなかそうはいかない。