睡眠の質や健康を左右する

深睡眠は、眠りについてから4時間以内に多く発生し、時間が経つにつれて短くなります。レム睡眠とノンレム睡眠は約90~120分間隔で一巡するので、4時間の間にノンレム睡眠が起きる回数は2~3回。ここでしっかりと深睡眠が取れていないと、脳や体が回復しないまま朝を迎えてしまいます。つまり、眠りの初期の4時間を良いものにすることが、睡眠の質や健康を左右するのです。

しかし、「すぐ眠れる」「睡眠時間は十分」という人の中にも、「隠れ不眠」は存在します。「昼食後に必ず眠くなる」「電車で席に座ると居眠りしてしまう」「毎晩ベッドに入るとバタンキューで寝てしまう」などの人は、十分な深睡眠が取れていない可能性が高いでしょう。「バタンキューで寝る」というのは、ソファでの寝落ちに近いと思いますが、実は気絶に近い状態で脳がシャットダウンしているだけ。「寝入りがいい=よく眠れている」というわけではないのです。

質の高い睡眠のためには寝具選びも重要です。いびきをかく、睡眠時無呼吸症候群であるなどの場合を除き、基本的におすすめしている寝姿勢は、仰向けです。仰向けで寝転んだとき、頚椎から肩にかけてS字のカーブが自然に維持できるのが、自分に合った枕。寝返りを打っても頭が枕から落ちないよう、頭3個分程度の大きさのものを選びましょう。とはいえ、ベストな状態を保てるかはマットレスとの組み合わせ次第です。寝転んだときに体の軸が一直線になるような、ある程度弾力性のあるマットレスを選びましょう。

▼ソファでの寝落ちは、実は気絶に近い状態

(構成=大高志帆)
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