AIに代替されない、長期記憶の鍛え方

記憶には「短期記憶」と「長期記憶」の2種類があります。簡単にいえば、短期記憶は数十秒以内の記憶、長期記憶はそれ以上残る記憶です。人生で重要なのは短期記憶よりも長期記憶です。短期記憶はITの発達、AI(人工知能)の進化などで代替可能だからです。したがって、これから述べる記憶は長期記憶のことです。

米国ハーバード医科大学大学院元フェロー 川﨑康彦氏

記憶力を向上させるためにキモとなるのは、「脳内環境」の整備です。脳内環境とは簡単にいうと、前述した脳のさまざまな部位すべての細胞内の器官や細胞膜の状態などを指します。それらをベストな状態にすることが重要で、そのためのポイントは2つです。「ワクワク」することと、「ハラハラ」することです。

ワクワクとは好奇心であり、あなたの心に熱い炎のようにみなぎる情熱です。楽しいことに没頭し、気がついたら長い時間が経っていたという経験は誰にでもあると思います。

この楽しくなれるものを見つけたら半分は成功したといえます。なぜなら、ワクワクして取り組むと、脳には集中力を生む脳内ホルモンの「ドーパミン」が放出されパワーがみなぎるからです。