「非行少年」が生まれる原因は、どこにあるのか。立命館大学の宮口幸治教授は「35人のクラスのうち、下から5人の子どもたちは、かつて『知的障害』とされていた時代があった。現代では『境界知能』とも呼ばれるが支援の対象にはなりにくく、 そのため不登校や非行に走ってしまうことがある」という――。
※本稿は、宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』(新潮新書)の一部を再編集したものです。
“少年院の子”と“学校で困っている子”の共通点
私はもともと児童精神科医で、いまは大学で教えておりますが、並行して幼稚園、小学校、中学校で学校コンサルテーションや教育相談・発達相談なども行っております。そこでケースとして挙がってくる子どもたちの状態は、一筋縄ではいきません。発達や学習の遅れ、発達障害、自傷行為、粗暴行為、いじめ、不登校、非行、親の不適切養育などの課題が入り混じっており、複雑な様相を呈しています。
例えば、次のような子どもの振る舞いや特徴は、相談ケースとしてよく挙がってきます。
・感情コントロールが苦手ですぐにカッとなる
・人とのコミュニケーションがうまくいかない
・集団行動ができない
・忘れ物が多い
・集中できない
・勉強のやる気がない
・やりたくないことをしない
・嘘をつく
・人のせいにする
・じっと座っていられない
・身体の使い方が不器用
・自信がない
・先生の注意を聞けない
・その場に応じた対応ができない
・嫌なことから逃げる
・漢字がなかなか覚えられない
・計算が苦手
・人とのコミュニケーションがうまくいかない
・集団行動ができない
・忘れ物が多い
・集中できない
・勉強のやる気がない
・やりたくないことをしない
・嘘をつく
・人のせいにする
・じっと座っていられない
・身体の使い方が不器用
・自信がない
・先生の注意を聞けない
・その場に応じた対応ができない
・嫌なことから逃げる
・漢字がなかなか覚えられない
・計算が苦手
などです。
これらを見て、あることに気づきました。私は以前、医療少年院に務めていたのですが、そこに収監される少年たちの学校時代の様子と、学校で困っている少年たちの様子が、極めて似ているのです。