所属事務所の吉本興業を通さずに反社会的勢力のパーティーに参加し、ギャラまでもらっていたことが判明して「契約解除」を告げられたタレントの宮迫博之氏らが、処分後に自ら開いた記者会見。これを機に、世間からの批判の矛先は吉本興業へ向かうことになった。「流れを変えた」会見の重要ポイントを橋下徹氏が解説する。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(7月23日配信)から抜粋記事をお届けします。

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タレント側に有利な展開だが、ここで攻めすぎてはならない

写真週刊誌「フライデー」の第一報によって、反社会的勢力のパーティーに参加しギャラをもらっていたことが発覚した宮迫博之さんと、ロンドンブーツ1号2号の田村亮さん。宮迫さん、田村さんに謹慎処分が下り、事態が推移する中、フライデーの第二報によって宮迫さんが、キャバクラで金塊強盗犯と一緒に酒を飲み、ギャラをもらったという報道が出た。そしてあれよ、あれよという間に、宮迫さんは吉本から契約解消を伝えられた。

この時点では、宮迫さんに対する非難の大きな流れができていた。

最初、宮迫さんたちがギャラをもらっていないと嘘を付いていたことが尾を引き、第二報によって、やっぱりか……という雰囲気になっていたことも確かだ。一部報道では、宮迫さんの引退会見が開かれる予定のところ、急遽宮迫さんが拒否したという宮迫さん不利の情報も流れていた。

そして、宮迫さん、田村さんは7月20日に記者会見を開いた。会社を辞めた後に、自ら主導的に開いた会見である。

反社会的勢力の会合に出席して金銭を受け取った問題で、記者会見する宮迫博之さん=2019年7月20日、東京都港区(写真=時事通信フォト)

嘘を認め謝罪し、反社会的勢力による犯罪の被害者にも謝罪し、嘘は自らの保身から出たことを素直に認めた。ただし、反社会的勢力であったことは知らなかったという点は貫いた。

さらに、会見を開きたいと思っていたのに会社に止められた経緯、吉本興業・岡本昭彦社長の「会見を開くなら全員クビや」という暴言の事実、吉本への感謝の想い、先輩・仲間やファンへのお詫びなどをしっかりと述べた。