このままだと“令和経済”は平成より厳しいものになりそうだ。経営コンサルタントの小宮一慶氏は「バブル崩壊後、日本は平成時代に経済を立て直しきれなかった。巨額な財政赤字や日銀の異常な緩和という時限爆弾も抱えており、日本経済の先行きは楽観できない」という――。
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このままだと“令和経済”は平成より厳しいワケ

新しい元号が「令和」と決まりました。

4月1日、新元号の告知があった日に、私は大阪で生放送のテレビ番組に出演していました。さっそく、司会者から「令和(時代)の経済のキーワードが何になるでしょうか」と聞かれたので、「変革」と述べました。

これは、変革があってほしいという私の願いとともに、日本が大きなリスクを抱える中で、変革をしなければジリ貧となりマズい状況になるという危機感の現れでもありました。

令和の経済を予測するためには、まず、30年あまりの平成の経済を振り返る必要があります。

平成経済はバブルとその崩壊から始まった

平成の経済は「バブル」の最終期でした。平成元年(1989年)の最後の営業日は、日経平均株価が3万8915円の史上最高値を付けた日です。平成元年の年末頃には「翌年(1990年)には日経平均は4万円台まで上昇」と言われましたが、年が明けると一気に日経平均は下落、その年の前半には2万円台まで落ちました。バブル崩壊の始まりでした。

地価も下落しました。バブルの数年間で、都内の住宅地では地価が4倍程度に上がったところもありました。それが平成に入り一気に元に戻るという急降下をしたのです。銀行は、不動産を担保にお金を貸していたので、「担保切れ」という融資が急増しました。金融界全体で100兆円もの不良債権を抱えてしまったのです。

それでもしばらくは何とか耐えてきましたが、結局、平成9年(1997年)11月には三洋証券、北海道拓殖銀行や山一証券が一気に破綻、翌年には、日本長期信用銀行や日本債券信用銀行などが相次いで破綻するという未曽有の金融危機を迎えました。結局、大手行の再編で、現在の3メガバンク体制になりました。