社内の「志」を、1つにまとめる
経営者だったら、工場や店を閉め、ともに戦ってきた社員を解雇するのは、嫌で当然だ。それが、リーダーだ。ところが、新興国の追い上げや技術革新の遅れで逆風が強まると「会社の存亡がかかっている」とリストラを重ね、「歯を食いしばって苦境を乗り切る」などと宣言はするが、そんな状況になった経営責任はとらない例が目につく。時代の変化に手をこまぬいていた非力さを認め、自ら決めて退くことも、少ない。
もっと悪い例は、何かの拍子に風向きが変わり、ちょっと経営が楽になると改革の手を緩め、現状に安住して将来への布石を打たなくなることだ。それでは、社員たちは「明日への希望」を持てず、暗くなりがちとなる。「繊維業界の名門」とされた東洋紡績(現・東洋紡)も、20世紀が終わるまでは、そんな1社に挙げられた。
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