「火種」を1つずつ消していく

仕事をしていて「わが社にはこんなに赤字の事業があって、大丈夫か」と心配していたら、気持ちが沈み、周囲も引きずられる。でも、「要は、赤字の原因を消していけば、何とかなる」と肯定的に考えれば、本人も周囲も前向きに危機克服に取り組めるだろう。

東洋紡 社長 楢原誠慈

1999年3月から、経理や財務を担う管理部の課長として、翌年の会計ビッグバンへの対応に追われた。決算の主体が、会社単独から子会社などを含めた連結に変わる。保有株式などを、取得価格ではなく、時価ではじく時価会計にもなる。企業の姿をより正確に示すためで、42歳のときだ。

3年前にジャカルタ勤務から帰国し、課長代理に就いて以降、不採算事業の収益分析を始めた。通常の予算の策定と管理もある。一方で経費節減下、部員の数は十数人から増やせない。誰もが仕事は深夜に及び、土日出勤も続く。