※本稿は、シデナム慶子『投資に必要なことはすべて海外投資家に学んだ』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
素人が投資したところで、本当に資産は作れるのか
プロ投資家が巨額な資金を動かして取引しているマーケットに、個人が数十万円の資金で投資したところで、果たして着実に資産を増やすことができるでしょうか。スーパーコンピュータなども駆使しながら、巨額なお金を動かされたら、こちらの目論見など一瞬で吹き飛ばされてしまいます。まずそれを冷静になって考えることが大事です。
もちろん、個人でも投資によって数億円の資産を築いた投資家もいるでしょう。ただ、それは本当に一握りの人です。
本稿の目指すところは、そこまでスーパーな個人でなくても、それこそ普通に会社勤めをしているような人でも、老後の心配をすることなく生活できる程度の資産を築ける方法を考えることにあります。
そのために必要なルールを紹介していきます。
プロの投資家と同じ土俵に乗ってはいけない
個人が投資で資産を増やし続けるためにまず大事なことは、プロ投資家と同じ土俵に上らないことです。
プロの投資家は豊富な資金力を持っていて、それこそ24時間体制で様々な情報収集を行なっています。
しかも、私がかつて外資系金融機関で一緒に仕事をしてきたヘッジファンドなどのプロ投資家になると、たとえばマサチューセッツ工科大学でロケットサイエンスの最先端研究を行ない、そこでの数学的知見を最大限に活用して投資の世界に入ってきたような、最優秀の人材がゴロゴロ転がっています。
凄いのは人材だけではありません。誰よりも短時間のうちに大量の売買注文を発注できるようにするため、高額なスーパーコンピュータを大量に社内に設置して、フル稼働させているようなファンドマネージャーも大勢いるのです。
さらに投資の時間軸を考えてみてください。プロの投資家は、その多くが誰かのお金の運用を委託されて、その誰かの代わりに運用しています。つまり純粋に自分のお金を運用しているのではありません。