金融危機の序曲、年末の日々を一変

1994年12月6日、東京・大手町の住友銀行(現・三井住友銀行)の全国銀行協会(全銀協)の別室で、「何とか無事に、年が越せそうかな」と思いながら、事務的な仕事をこなしていた。

三井住友フィナンシャルグループ 社長 国部 毅

すると、担当専務から、呼ばれた。そういえば、部屋にある首脳陣の在・不在を示すランプで、頭取と専務のところが、だいぶ前から消えていた。「どこにいっていたのか?」と思いながらいくと、予想もしない言葉が飛んできた。