これまで日本企業ではシステムの責任者として「CIO」という役職名が使われてきた。だが「フィンテック」をはじめ、デジタルによる企業変革を急ぐ金融業界などでは、「CDO」という役職を新設する企業が増えつつある。その狙いはなにか。世界的なCDOの交流組織「CDO Club」の日本代表を務める加茂純氏に聞いた――。

将来を見据えてイノベーションを起こせるか

――デジタルを活用した企業変革が日本の大企業でも進みつつあります。そして、その司令塔である「CDO」(Chief Digital Officer、最高デジタル責任者)にも注目が集まっています。加茂さんは今年5月、世界的なCDOの交流組織「CDO Club」の日本組織「CDO Club Japan」をスタートさせました。現在の参加者は何社ですか。
加茂純 CDO Club Japan 代表理事&CEO

20社、20人です。CDOおよび、それに準ずる役職者ということで、業種・業態も自動車メーカーや総合商社、小売り、サービス業とほぼ網羅しています。ただ、全世界では5000人といわれていいますから、やっと日本にも、それだけの人数が誕生したというのが実感です。

これまでもCIO(最高情報責任者)と呼ばれ、システムを構築し管理してきた人たちは数多くいました。とはいえ、企業全体に横串を通し、改革を推進するリーダーをCDOと定義していますので、そういう役割を担う人は日本企業の保守的な特性なのか、なかなかいませんでした。その意味で、将来を見据えてイノベーションを起こすのがCIOとCDOの境目といえます。

率直にいって日本は、この分野が世界に比べて2年遅れています。だからこそ私は、来年中に国内のCDOを100人ぐらいに増やしたいと考えているわけです。それだけいれば、企業だけでなく自治体まで巻き込んだ展開ができるはずです。