1位はアサヒグループの1232.6万円
プレジデントオンラインは、東証33業種の「食料品」に分類される企業123社の「社員平均年収ランキング(2024年版)」を作成した。
基にしたデータは直近の年次決算期における有価証券報告書(2023年10月期~2024年9月期)。データ抽出では、経済・金融データサービスの株式会社アイ・エヌ情報センターの協力を得た。
今回調査した食料品業に属する企業のうち、トップ10社の従業員平均年収額は1003.0万円だった。表にしたランキング123位までの従業員平均年収額は644.0万円。ちなみに全国平均(3744社)は652.2万円となっている。
今後の課題は「酒離れ」
1位はアサヒグループホールディングスだった。前年比で2.9万円と小幅の増額にとどまったものの、平均年収は1232.6万円。2位との差は100万円超で、大きく差を付けた。
同社は酒類で独自の商品を続々と打ち出しており、2023年度は缶を開けるとレモンスライスが浮き上がってくる「未来のレモンサワー」が話題を呼んだ。これは2021年に発売した、缶のふたをあけると泡が出てジョッキでビールを飲むような体験ができる、「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」の技術を応用している。RTD(Ready to Drink)市場の新たな付加価値訴求に成功している。
アサヒグループホールディングスは売り上げの多くを酒類事業が占めるが、近年は酒離れが進む。国税庁の「酒レポート」(令和6年6月)によると、成人1人当たりの酒類消費数量はここ30年ほどで8割弱に減少。課税数量も、1999年度の1017キロリットルをピークに2022年度は816キロリットルまで縮小した。
こうした環境変化を背景に、同社ではノンアルコール飲料への注力も進む。2022年にアサヒビールが電通デジタルとスマドリ社を立ち上げ、飲み方の多様性を掲げるプロジェクト「スマートドリンキング(スマドリ)」に取り組んでいる。